Stable Diffusion Sampling methodの違いとおすすめを比較解説

Stable Diffusionは、Sampling method(サンプラー)と呼ばれる計算方法を選択することで、生成される画像の品質や雰囲気が大きく変わります。

数多くのsample methodsが存在しているので、それぞれの違いを理解しながら、目的に応じて使い分けることで、画像生成のクオリティと効率を格段に向上させることが可能です。

この記事では、主要なサンプラーの特徴を比較し、目的別に最適な選び方とおすすめの設定について解説します。

目次

Stable DiffusionのSampling method(サンプラー)とは?

Stable Diffusionは、ランダムなノイズから段階的にノイズを取り除いていくことで画像を生成します。

このノイズ除去プロセスの計算方法を定義するのがSamplingmethod(サンプラー)と呼ばれる仕組みです。

どのサンプラーを選択するかによって、同じプロンプトやシード値であっても、生成される画像の品質、細部の描写、雰囲気、そして生成にかかる時間が大きく変化します。

Sampling methodと合わせて設定したいSampling stepsとは

Sampling method(サンプラー)を選ぶ際、必ずセットで設定するのがSampling steps(サンプリングステップ数)です。

これは、ノイズの多い初期状態の画像から、ノイズを何段階に分けて除去していくかを示す数値で、このステップ数が多ければ多いほど、より丁寧な処理が行われます。

最終的に生成される画像のクオリティと生成時間は、選択したSampling method(サンプラー)とこのステップ数の組み合わせによって決まるため、両者の関係性を理解することが極めて重要です。

Sampling methodの設定傾向と目安

サンプラーごとに、効率的に高品質な画像を生成できる推奨Sampling steps数の目安があります。

高速な「Euler a」やバランス型の「DPM++2M Karras」は、20~30stepsの範囲で十分な品質が得られることが多く、おすすめの設定とされています。

一方で、最高品質を追求する「DPM++SDE Karras」の場合、その性能を完全に引き出すためには30~50stepsといった比較的多めの設定が推奨されることがあります。

使用するモデルによっても最適値は変動するため、まずは推奨値を基準にいくつか試してみるのがおすすめです。

【画像で比較】Sampling methodの数値による生成結果の違いを検証

Stable Diffusionには多種多様なサンプラーが存在しますが、特に利用頻度が高い主要なものがいくつかあります。

同じ設定で生成しても、サンプラーの違いによって画像の仕上がりには明確な差が生まれます。

ここでは、利用可能なサンプラーの中から主要なものをピックアップし、それぞれの特徴や得意とする表現について解説していきます。

Sampling methodの種類一覧表

サンプラー名系統 / 算法特徴・傾向向いている用途メリットデメリット
DPM++ 2M2nd order multistep比較的シャープで安定、ステップ多めで高品質写実系~イラスト全般総合力が高く汎用的DPM++ SDE系より滑らかさに欠けることも
DPM++ 2M Karras2M + Karrasスケジューラ同上+少ステップでも安定しやすい少~中ステップでの高品質生成20~30ステップ程度で高品質を狙いやすい好み次第で若干硬い印象になる場合も
DPM++ SDESDEベースソフトで滑らかな質感、ディテールも出やすい肌質・塗りが重要なイラスト、写真風とてもバランス良く、「とりあえずこれ」で使われがち設定によっては若干時間がかかる
DPM++ SDE KarrasSDE + Karras少ないステップでも滑らかでノイズが少ない20~30ステップで高品質イラストWebUIでのデファクト標準級、失敗が少ないコントラスト強めが好きな人には物足りないことも
DPM++ 2M SDE2M + SDEハイブリッドシャープさと滑らかさの中間的なバランスアニメ/リアルどちらでも使える万能型バランスがよく、細部も出やすい計算コストはやや重め
DPM++ 2M SDE Karras上記 + KarrasDPM++系で最もよく使われる構成の一つ常用サンプラー、汎用高品質・安定・少ステップで強い初心者には選択肢が多くて違いが分かりにくい
DPM++ 3M SDEDPM++ 3rd order Multistep + SDE2M系よりさらに高次の多段法。高精細を狙った上位版的ポジション。解像度高めのイラスト・写真風、ディテール重視・DPM++ 2M SDEより微妙に高品質になりやすい・計算コストがやや重い・低ステップでは2M系との差がわかりづらいことも
Euler a (Euler ancestral)Ancestral (ランダム性強め)ノイジーでランダム性が高く、崩れやすいが味のある絵になりやすいアート系・抽象画、偶然性を楽しむ用途ランダム性が高く表現の幅が広い手や顔などが崩れやすく安定しにくい
Euler1st order (オリジナルEuler)クセが出やすく、コントラスト強め、ラフで「AIっぽさ」が出やすい落書き風、ラフイラスト、短ステップでの試行高速・ステップ少なめで形が出る細部や安定度では他より劣ることが多い
LMSLinear Multistep比較的シャープで、昔からある安定したサンプラー古典的Stable Diffusion設定の再現パラメータによってはディテールが出やすい近年のDDIMやDPM++系より扱いにくいことも
Heun2nd order (Heun法)Eulerよりやや安定寄りだが似た系統Eulerと似た絵柄で少しマイルド安定性とスピードのバランス他の「流行りサンプラー」と比べるとメリットが薄い場合も
DPM22nd order DPMしっかりした線・コントラストになりやすいがステップ多め推奨線画重視のイラストラインがくっきりしやすい低ステップだと破綻しやすい
DPM2 aDPM2 ancestralDPM2にランダム性を加えたもの、ややアート寄りランダム性を活かしたイラスト・アートラフさと線の強さのバランス安定性はDPM++系に劣ることが多い
DPM fastDPM系の高速モード(実装依存)ステップ数を減らす代わりに、1ステップあたりを粗く・大胆に進める高速サンプラー。品質より速度優先ラフ生成、構図確認、サムネイル作成・生成がかなり速い・ざっくりとした案出しに便利・細部が甘くなりやすい・破綻やノイズが乗りやすい
DDIM+CFG++DDIM + 改良版CFG(CFG++などの名称)通常のDDIMに、「CFGスケールの効き方」をチューニングしたバリエーション。テキスト制御を強めに効かせたいが、ノイズっぽさや破綻を抑えたい場面・比較的低ステップでもそこそこの品質・高CFGでも破綻がやや抑えられることが多い・実装ごとの差が大きく、一般的な「定番」としての情報が少ない
Restart途中でノイズをリセット特定の破綻を抑えたり、違う局所解を探しに行く難しいプロンプトの調整異なる構図を引き出しやすい設定が難しく、上級者向け
DDIMDeterministic少ないステップでまとまった画が出やすい、ややソフトな印象低ステップ高速生成、アニメ調短ステップでそれなりの品質、再現性高い高ステップではDPM++系に画質で劣ることが多い
DPM adaptiveDPM系 + Adaptive step画像の収束具合を見てステップを「自動調整」するタイプ。必要な部分だけ細かく進めるイメージプロンプトが複雑で、必要なステップ数が読みにくい場合・自動でステップを増減してくれるので、過剰ステップを避けやすい・絵によっては高速化が期待できる・挙動が読みにくく再現性が落ちる場合がある・品質が安定しないことも
PLMSPseudo Linear MultistepDDIMの改良版のような位置づけ、昔のWebUIデフォ候補旧環境や古い設定の再現なじみのある人には扱いやすい近年はDPM++系が主流であまり使われない
UniPC / UniPC KarrasPredictor-Corrector法最近追加された高速・高品質系。DPM++に近いバランス最新版WebUIでのテスト・実験ステップ少なめで品質良好、速度も速めまだ情報が少なく、チュートリアルも少なめ
LCM (Latent Consistency Model)きわめて少ステップ向け4~8ステップでもかなり形になる超高速系リアルタイム生成、インタラクティブUI圧倒的スピード通常サンプラーほどの精密さは出にくい

Sampling methodのサンプル画像一覧表

DPM++ 2M

DPM++ 2M Karras

DPM++ SDE

DPM++ SDE Karras

DPM++ 2M SDE

DPM++ 2M SDE Karras

DPM++ 3M SDE

Euler a

Euler

LMS

Heun

DPM2

DPM2 a

DPM fast

DDIM+CFG++

Restart

DDIM

DPM adaptive

PLMS

UniPC

LCM

Euler a:高速な画像生成が可能なシンプルなサンプラー

妖精

クリスマス

騎士

Euleraは、シンプルで非常に高速なサンプラーです。

最大の特長は、少ないSamplingstepsでも画像の全体像が破綻しにくい点にあり、プロンプトの効果を素早く確認したり、構図を探ったりする際の試行錯誤に適しています。

大量の画像を短時間で生成したい場合に非常に効率的です。 ただし、ステップ数を増やしても画質の向上が頭打ちになりやすく、最新の高品質なサンプラーと比較すると細部の描写力は劣る傾向があります。

DPM++ 3M SDE:高解像度・ディテール重視のサンプラー

妖精

クリスマス

騎士

DPM++ 3M SDEは、ステップ数を少し増やすと非常に細部まで描写しやすいサンプラーです。

「DPM++ 2M SDE / 2M SDE Karrasを使っていて、さらに細部を伸ばしたい」ときに試す候補に利用されます。

高解像度・ディテール重視でじっくり生成する時に使います。

DPM2 a:自動でステップを増減するサンプラー

妖精

クリスマス

騎士

DPM2 a(DPM2 ancestral) は、DPM2にランダム性(ancestral性)を加えたサンプラーで、ややクセのある表現になりやすい方式です。

ラインがくっきりしやすく、若干ラフでアート寄りのニュアンスが出るため、イラストや少し崩した表現に向いています。

一方で、手や顔などのディテールが破綻しやすいことがあり、安定性・再現性ではDPM++系サンプラーよりやや劣る傾向があります。

UniPC Karras:ステップ数を抑えつつもディテールと滑らかさを両立するサンプラー

妖精

クリスマス

騎士

UniPC Karras は、Predictor-Corrector 法を用いた UniPC サンプラーに Karras スケジューラを組み合わせた方式で、少ないステップでも破綻が少なく安定した画を得やすいのが特徴です。

DPM++ 系に近いバランスの良さを持ち、イラストから写真寄りまで幅広いジャンルで「速さと品質の両立」を狙いたい場面に向いています。

【結論】目的に合わせたおすすめのSampling method(サンプラー)

ここまで様々なサンプラーの特徴と選び方を解説してきましたが、最終的にどのサンプラーを選ぶべきか、目的別に結論をまとめました。

Stable Diffusionを始めたばかりの方、生成速度を重視する方、そして最高の画質を求める方、それぞれのニーズに合わせたおすすめのサンプラーを具体的に紹介します。

まずはここでおすすめするサンプラーから試してみて、そこから自分のスタイルに合わせて調整していくのがおすすめです。

初心者向け:まず試したい万能サンプラー「DPM++ 3M Karras」

Stable Diffusionを始めたばかりで、どのサンプラーから使えば良いか迷っている方には、「DPM++3M Karras」がおすすめです。

「DPM++3M Karras」は、高い画像品質と速い生成速度という二つの要素を非常に高いレベルで両立させています。

そのため、少ないステップ数(20〜30程度)でもクオリティの高い画像を効率的に生成でき、多くの場面で満足のいく結果を得られます。

アニメ風のイラストからリアルな写真まで、幅広いスタイルに対応できる汎用性も持ち合わせているため、最初の基準とするのに最適です。

速度重視向け:とにかく早く試したいなら「Euler a」

プロンプトを何度も調整したり、様々な構図を試したりするなど、とにかく生成回数を重ねたい場合には、「Eulera」がおすすめです。

このサンプラーは全サンプラーの中でもトップクラスの生成速度を誇り、10〜20程度の少ないステップ数でも画像の全体像を素早く確認できます。 アイデア出しや試行錯誤のサイクルを大幅に短縮することが可能です。

品質重視向け:イラストやリアル系で高みを目指すなら「UniPC

生成時間にはこだわらず、一枚の作品としてクオリティを追求したい場合には、「UniPC」が最もおすすめです。

比較的新しい手法のサンプラーで、従来の生成結果と一線を画す仕上がりが期待できます。

既存のDPM++系ほど定番化していないため、環境ごとのチューニングや検証が必要になる場合があります。

Stable DiffusionでSampling methodを使いこなそう!

今回は、Stable DiffusionのSampling methodについて解説しました。

最短でベスト設定を見つけるには、大量のプロンプトを試行で回すのが近道です。

そこでおすすめなのが、クラウドGPUの活用です。

クラウドGPUなら、自宅PCの性能に依存せず、高速なサンプル生成を大量に回せるため、サンプラーやステップ数、CFGスケールなどの組み合わせ検証を一気に進めることができます。

特に、DPM++系やUniPCなど「ステップ数や設定次第で印象が大きく変わるサンプラー」を比較したい場合、ローカル環境のみでは時間がかかりすぎることも少なくありません。

クラウドGPU環境を活用しつつ、自分のよく使うプロンプトや解像度に合わせて「このサンプラー+このステップ数なら外さない」という鉄板パターンを複数ストックしておくと、制作効率やクオリティが大きく向上します。

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さらに、クラウドGPUを利用しない時は停止にしておくことで、停止中の料金はかかりません。

クラウドGPUを使えばいつでもStable Diffusionの性能をフルに引き出すことができるので、理想の環境に近づけることができます。

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Stable Diffusionが快適に使えるおすすめのパソコンやグラボに関しては下記の記事で紹介しています。

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この記事を書いた人

EdgeHUBは、NVIDIAクラウドパートナーである株式会社ハイレゾが運営しています。「AIと共にある未来へ繋ぐ」をテーマに、画像生成AI、文章生成AI、動画生成AI、機械学習・LLM、Stable Diffusionなど、最先端の生成AI技術の使い方をわかりやすく紹介します。

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