データセンターが抱える2つの課題
日本のイノベーションに必要なデータセンターの計算コストの障壁
AI、IoT、メタバースなどの普及により、企業が扱うデータは爆発的に増加を続けています。一方で大容量データの保管をするクラウドストレージや、大量のデータ計算を行うGPUクラウドサービスでは、コスト高騰が大きな課題になっています。演算力の使用は大企業のみならず、予算の少ないベンチャー企業まで幅広く使用されています。GPUクラウドサービスのコスト高騰により開発を断念する企業もあり、AI・ディープラーニングなどの社会実装の大きな足かせになっています。
無視することのできない環境問題
全世界のデータセンターでは、毎年推定200Tワット/時の電力が消費され、温室効果ガス(CO2)排出量は全排出量の5.9%を占めると言われています。日本国内においても、経済産業省が2021年7月に発表した「『次世代デジタルインフラの構築』プロジェクトに関する研究開発・社会実装計画(案)の概要」に「2030年までに40%以上の省エネ化を実現する」と盛り込まれ、IT業界全体の大きな課題となっています。
日本のイノベーションに必要な
GPUデータセンターの課題。
その足かせを取り払うソリューションをハイレゾはご提案します。
ハイレゾの3つのソリューション
データセンターの
脱炭素化を推進
省エネ設計
ハイレゾのデータセンターは、エアコンを使わないことで空調電力を大幅に削減しています。消費電力をおさえることで、脱炭素化を推進しています。
・データセンターを建設した石川県志賀町は、通年を通じて冷涼な気候で、夏場が低湿度であるため、外気空冷に適した環境である。
・北陸電力株式会社による安価で安定した電力供給が得られるなどの利点が得られる。
・データセンターの建物構造は、廃熱効率に優れた「違い棚屋根方式」で設計されている。
・自社でサーバー単体の設計から配置検討まで行いサーバーの冷却効率を高めている。
・自社サービス専用の施設であり、ユーザー立ち入りがないため、サーバー冷却を重視した風量設定が可能。
外気空冷により空調電力を大幅に削減し、電力使用効率を示すPUE(※)が国内最高水準の1.1未満になる(国内主要データセンターのPUE平均は1.4)。消費電力をおさえることで、温室効果ガス排出量を抑制している。
※PUE:Power Usage Effectiveness、データセンター全体の消費電力をサーバーなどのICT機器の消費電力で割った数値。1.0に近いほど効率的。
再エネ化計画
ハイレゾが目指す2050年カーボンニュートラル(脱炭素)の実現に向けた「データセンターにおけるエネルギー戦略」では、自社再エネ設備(太陽光など)と再エネ電気メニューの購入を重点に、再エネ導入計画を推進しています。現在ハイレゾのデータセンターは北陸電力の環境価値を付与した再エネ電気メニュー「かがやきGREEN」を購入(※1)しており、SDGsをはじめとする企業の環境ニーズに対応する予定です。
証書の有無 | 概要 | 事例 | |
---|---|---|---|
自社再エネ設備 | 不要 | 需要家自身が再エネ発電設備を持ち、自社敷地内で消費する | ハイレゾ |
再エネ電気メニュー | ○ | 小売電気事業者が提供している再エネ電気メニューを適用。 | Yahoo! JAPAN 楽天,SoftBank,富士通 ハイレゾ(w/北陸電力) |
オンサイトPPA | ○ | 需要家自身の敷地内に発電事業者が再エネ発電設備を導入し、電力供給契約を締結。 | |
オフサイトPPA | ○ | 需要家から遠く離れた需要家敷地外に発電事業者が再エネ発電設備を構築し、電力供給契約を締結。送配電は別事業者が行うため、別途託送料金が必要となる。 | AWS, Google, Microsoft |
バーチャルPPA | ○ | 再エネ発電業者から電力証書のみを購入。再エネ発電事業者は電力グリッドに再エネを卸販売、需要家は電力小売業者から給電を受けるが実給電が再エネとは限らないため、電力証明を用いる。 | AWS(Virginia) |
※1 データセンターの施設内電力の10%に、北陸電力が提供するCO2排出量ゼロの再エネ電気メニュー(料金メニュー)「かがやきGREEN」を採用しています。
地方創生
志賀町が抱える過疎化(高齢化・人手不足)の問題に対し、ハイレゾと連携・共創することで地域の活性化に貢献しています。
新規産業創出&雇用創出
DC1
売上:5億円
現地採用:5名(採用済み)
DC2
売上:30億円
現地採用:15名(採用中)
DC3
売上:50億円
現地採用:20名(予定)
GPU特化型
データセンター
データセンターの多様化
データセンターはこれまで「ホスティング」や「コロケーション」が一般的でしたが、サーバー用途の多様化が進み、それに対応する多機能なデータセンターやクラウドサービスは高コストがネックになっています。一方でハイレゾが提供するGPUクラウドサービスなどの特化型クラウドは、機能やサーバーを限定することで、管理・運用のコストを下げています。結果としてハイレゾのGPUクラウドサービスは、メガクラウドと比べて圧倒的なコストパフォーマンスを持ち注目を集めています。
■ 多様化するサーバーと
データセンター用途の例
・汎用サーバー
・クラウドストレージ
・大容量長期保存ストレージ
・エッジ処理
・コロケーションデータセンター
・ストレージ専用データセンター
・コールドストレージ専用データセンター
・エッジデータセンター
・クラウド基盤サーバー
・高性能スパコン
・GPUサーバー
・クラウド基盤専用データセンター
・HPC基盤専用データセンター
・AI基盤専用データセンター
GPUクラウドサービス専用のデータセンター
ハイレゾのデータセンターは、自社GPUクラウドサービス専用に作られており、一般的なデータセンターとはコンセプトが異なります。
GPUクラウドサービスは、一時的にデータを預かり計算処理をして結果を返すバッチ処理が主なワークロードになるため、ストレージサービスのように、データを永続的に保管し続ける必要がありません。さらにバッチ処理であるため、リアルタイム通信が重視されません。このようなGPUクラウドサービスの性質を活かし、過剰な冗長化を抑えることや、データセンターの地方立地により低コストを実現しています。
■ データセンターの比較表
垂直統合
最適化モデル
クラウドサービス
垂直統合モデル
クラウドサービスは3階層モデルが主流で、クラウドサービスプロバイダ・サーバーベンダ・データセンター事業者がそれぞれ独立したレイヤーでサービスを提供しています。各レイヤーが標準仕様を提供するモデルのため、サービス全体に最適化することが難しく、結果としてコストが高くなる傾向にあります。一方、ハイレゾは、サービス・サーバー・データセンターをすべて自社設計する垂直統合モデルを採用しており、それぞれのレイヤーが相互補完し全体最適を図ることで、省エネと低コスト化を実現しています。
第2データセンター概要
■ GPU専用データセンター
・垂直統合最適化データセンター
(サービス基盤/IT機器/建物・空調)
・高い環境性能と低コスト
データセンター情報
名称 | 志賀町GPU専用第2データセンター |
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住所 | 石川県志賀町 |
土地面積 | 12,380㎡ |
敷地面積 | 3,900㎡ |
延床面積 | 1,107㎡ |
電気消費量 | 2M、24時間、365日 |
その他 | 地域経済牽引事業に認定済み |
サーバー情報
GPU提供 | NVIDIA Corporation、AMD |
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GPU製品 | NVIDIA A100、NVIDA RTX A4000、 AMD RADEON RX |
収納台数 | GPU:最大7,000枚 |
従来型データセンターとの比較
違い棚屋根廃熱の建築構造にて特許権と意匠権を出願申請中
外気空冷に適した
温湿度環境と最適設計